急なキャンセルがあったとのことで、南山大学からマスメディア論Bの講師をやってくれないかとの依頼がありました。本務校の都合、たくさんのコマ数はできないので、最初と最後の3コマだけ担当することにして、CBCテレビ・ラジオ、キャッチネットワークさんにも授業をお引き受けいただく形で、今日は第一回目の授業。放送に関する授業を学部生にするのはかれこれ6年ぶりだったので、状況を知りたくて、「放送に含まれると思うメディアにはどんなものがありますか。それを何らかのカテゴリーに分類するなり、並べかえるなりすると、どうなるでしょうか」という、(相変わらず)無茶振りアイスブレークのグループワークを最初に課題として出しました。(4-5人×11グループ)

何となく想定していたのはこんな感じ。

あるいは、以下のような分類。

関係者が見たら泣いちゃう分類ですが、( FMラジオはあってもAMラジオはないし、民放テレビはあってもNHKはないし。そもそも人気ある・なしの分類って、若い子、遠慮ないわー。)この辺までは納得済みです。
YouTubeが放送とか、インターネット放送だというのも問題なくわかる気がします。ところが、、、

え?紙系?

活字系?

私、ちゃんと「放送メディア」に含まれるって言ったよね?マス・メディアと間違えちゃったかな?

え?やっぱりここにも・・・。

ということで11グループ中4つのチームに「新聞」の文字が・・・。なんどもプロジェクターに「放送に含まれるメディア」と指示がしてあることを確認しつつ、、、ここまでくれば、数といい、名古屋トップを争う高偏差値の大学でのことですから、単なる勘違いや知識がないということではないでしょう。軽くめまいがしつつ、「放送に新聞が入るかな?と思った人はどれくらい?ちょっとでも頭をかすめた人は手をあげて。」と尋ねたところ、なんと3分の1程度が手を挙げました。マス・メディアと放送が同義に見えているということでしょうか。ここまでくるとどういうことなのか、簡単には分析できませんが、ともかく私たちの世代には驚きなのではないかと思います。

また先週、毎日新聞の取材を受け、その際に、Lineなどで流れてくるニュースの出所を確認するかどうかというとき、大人も若者もほとんどチェックしないということが話題になりましたので、同じことを尋ねてみたところ、確認すると答えた学生はほぼ1割でした。

そのあと、放送法と民主主義、ネットとの違い、放送法をめぐる話題や広告システムについてざっと概論を話しましたが、多くの学生が、メディア・ビジネスについてほとんど意識したことがなかったと答えていたのが印象的でした。学生さんたちはとても元気で真面目で反応が良く、とても楽しい授業でしたので、上記に挙げたような反応は特殊ではないはずです。こうした現状を、マス・メディアも、そしてメディア研究者もどの程度理解しているのでしょうか。

追伸:感想シートには、「放送メディアとはと聞かれ、恥ずかしいほど浮かびませんでした。日常的に様々な媒体を通じて情報を得ているにも関わらず、それらがどのようなものでどう分類されるのか、考えたことはなかったです。」「今日は新聞は放送ではないなど、驚くことが多かったです」と書いてありました。私も驚きです。学ばせてもらいました。

追記2:CBCとキャッチネットワーク両社の協力で無事、授業を終えました。感想を上げておきます。

・私がこの授業で学んだことは、思っていたより放送局が地域住民を大切にしているということです。授業を受けるまで、メディア業界に対して良い印象を持っていませんでした。メディアに対して、情報が操作されていそう、放送局が流したいことしか流していないのではないかという不信感を持っていたからです。しかし、様々な方のお話を聞いて、少なくとも地方局は地元を活性化させるために、災害をはじめ、真剣に番組を作っているということが伝わってきました。
・キャッチネットワークでは災害時に少人数でも放送ができるように普段からロボットカメラを使うなどしていることを学んだ。日頃から災害の事を考えながら仕事をしてくれる人がいるというのはとても心強く感じた。そして放送局と地域住民の備えがあって、初めて防災になると思った。
・キャッチネットワークの労働環境に感動した。メディアは今後、キャッチネットワークを見ならうと、若い人の希望も増えると思う。
・マスコミとは何かと聞かれたら、これまでなら「情報をたくさんの人に伝えるもの」と答えていたと思うがいまは違う。「情報の力でより良い社会づくりに貢献すること」と答える。
・医療特集で、放送がきっかけとなって法改正に行ったというのは驚いた、インターネットではたくさんの人が不満を言っているが、解決策が出ないのと、時間もお金もかかって誰もやりません。どの意見が公平なのかもわからない。メディアの力には大きな意味があると考えることができました。
・放送を発信する側は、大変不利な状況に置かれている。視聴者は好みの番組を選択できるが、製作者は時間と労力をかけても消費されるかどうか保証がない。個人的には、 Youtubeのように目的のコンテンツへのアクセスが容易になれば、もっと放送に接する機会が増えると思う。
・予算の問題が大きいとわかった。キャッチさんで番組企画を考えたとき、「面白い!でもコストが、、、」というものがあり、その現実を感じた。ただ、ラジオはやってみると面白かったので、工夫次第でラジオ界は活性化していくと思う。

追記3

学生たちに聞いてみたところ、放送≒マス・メディアと思ったそうです。その後、まわりの若い教員などにも聞いてみましたが、少なからずこの感覚が理解できるということでした。