2020年2月23日、久しぶりにデジタル・ストーリーテリングのワークショップを開きました。会場は、これまで「ピッケのつくる絵本」ワークショップを開催し続けてきた愛知県豊橋市。ナラティヴ・プラクティスをベースに、外国にルーツを持つ子どもたちと、「ぼく・わたしのいいところ」をテーマにした内容で行いました。

今回の実践を引っ張ったのは、大学院 M1の李旭華さんです。テンポよく、楽しげな進行は子どもたちにも好評でした。他にもたくさんのファシリテーター、通訳の協力を得て行われました。

とはいえ、いくつか問題も。一つ目は翻訳・通訳の問題。まったく日本語を解さない子どもたちには、通訳が来るまでの間、そもそも何をやるのかよくわからないところで、たとえその単語の意味がポルトガル語でGoogle翻訳されても、わからないことがよりわからなくなり、フリーズしていってしまうという状況も起こり、Google翻訳の限界を感じました。

 

二つ目はi-Movieというソフトの限界です。これまで使っていたピッケがあまりにも使いやすいアプリであったため、それと比べると、はるかに手間がかかってしまいました。それゆえに、せっかくピッケで培ったストーリーテリングの技法が、うまく転用できなかったという限界がありました。

そして重要なこととして、小さな子どもには、ナラティブ的な言葉のアプローチよりも、写真から物語を作るというやり方のほうが良かったように感じました。写真はその場で撮ったものばかりですが、十分にストーリーを反映しており、また写真を撮るという作業が子どもたちの心のバリアを取り払ったように感じます。写真をはじめとするメディア遊びの持つエンパワメント力を、改めて思い返すことになった実践でした。

 

できあがった作品はメディア・コンテのサイトで公開する予定です。