表記のような長いタイトルの研究会を始めました。第1回は2022年2月15日、zoomでの開催でした。

世界各地でコミュニティメディアの資金調達が難しく、メディアが撤退する「ニュース砂漠」が課題となっています。メディアがないということは、行政や経済についての見張り役がいなくなるわけで、ローカルな民主主義に対する大きな影響が懸念されます。本研究会では、ジャーナリズムの存続を念頭におきながら、コミュニティメディアの資金調達について日本や世界の事例をもとにブレインストーミングをします。

第一回のテーマはクラウドファンディング。
クラウドファンディングによって電波塔建設を進めた沖縄県名護市のFMやんばるの新城拓馬さんと、中高年女性向けの人気番組の制作費等をクラウドファンディングで集めた札幌市のFMアップル専務取締役放送局長の塚本薫さんに、クラウドファンディング事例と普段の地域社会における取り組み、コミュニティFMの役割や課題等についてお話をしていただきました。

念の為、クラウドファンディングとは、事業や商品に関心を持つ人々(crowd)がインターネットを通じて、実現していない新たな商品アイディアや作品に資金を提供し、時にその返礼として、商品やサービス、情報を得る仕組み。米国などで一時期、クラウドファンディングによってジャーナリズムを支えるプラットフォームが2010年前後にいくつも作られましたが、残念ながら今は休止しています。しかし、部分的にクラウドファンディングを用いた事業展開があるのではないか。その際、何が可能で何が困難であるか、成功事例をもとに考えるのがテーマです。

2局の事例を比較することで見えてきたのは、普段からの地域での取り組みが寄付に結びつくということと同時に、うまく地域外のステークホルダーと関係性を作り、そこから寄付を募るという対内的、対外的戦略、双方が必要なのではないかという視点でした。

詳細については 放送レポートの記事 を参考にしていただければと思いますが、今後は、メディアの運営形態に焦点を当てて考えていこうと思います。最近ではコミュニティFMも、社会福祉法人、一般財団法人、一般社団法人、合同会社とさまざまな形態が出てきています。海外では協同組合方式も見られます。あるいは日本でも、ネットでの展開を念頭に、少数の住民がボランティアベースで取材するケースも見られます。5月、7月にはこうしたオンライン研究会を開催予定です。もし関心がおありの方がございましたらご連絡ください。