学部3年のゼミ生が決定しました。今年は女性4名、最大限ともいえる数です。マスメディアやコンテンツ産業に就職したいという元気な学生が多かったので、顔合わせを兼ねて、市民が自主的に番組を制作している「てにておラジオ」と、その放送を行なっている岐阜メディアコスモスに出かけ、出演者らへの簡単なインタビュー実習を行いました。

てにておラジオは、市民が各自年間5000円と番組放送料1500円を払って15分の枠で伝えたいことを話すラジオです。この日は、メディアコスモスの図書館で 活動をしている子ども司書たちの番組や、防災、憲法、訪問介護などについての番組が公開放送、収録されました。番組はのちに地元コミュニティ放送局で繰り返し放送されます。現在の会員数は50名前後。都合のいい時に出演料を払って参加するそうです。障害のある方、引きこもりの子どもたちなども参加されることがあるそう

伊東豊雄氏の建築であるメディアコスモスは、岐阜市立中央図書館と、市民活動交流センター、多文化交流プラザなどが一体化した施設で、非常に開放的でスタイリッシュな空間です。今回はこの施設の総合プロデューサーである吉成伸夫さんに、コンセプトと展望、課題についてお話いただきました。若者向けライトノベルもたくさん!

吉成さんはメディアコスモスを「屋根のついた公園」であるとして、家や職場、学校以外に、人との交流が果たせる「サードプレイス」になること、そして生きていくために必要な人や情報と繋がる場所になること、そして岐阜の過去と現在と未来のものがたりを知り、自分の町への愛着を高めることができる「シビックプライドセンター」になっていくことを掲げています。町の情報や思い出などを集めたり、その情報を町で見ながら歩けるアプリの開発なども行なっています。

特に図書館については、本に関心のない人たちが抱く「抑圧の壁」を廃し、潜在顧客を呼び込むことを目的に、ビジネス支援相談や、子どもや市民による町の情報の集積・発信活動なども積極的に行っています。司書さん、そして子どもたちや、町の人たちが、本はもちろん、POPや付箋などを通して情報を交換しあい、新たな情報や知へと導かれている様子が伝わってきました。若者の悩み相談に司書さんが本で答えるコーナー、起業相談などもあるんです

情報が溢れる社会で、情報をうまくキュレーションできる専門家としての司書さん、知のアーカイブであり交流の場となるべき図書館の未来について考えさせてくれる空間でした。学生たちは後期の授業で、インタビューした素材を分析します。