研究に当たってご協力いただく皆様に対し、研究手法についてご説明するページです。
Researchers 研究責任者
名古屋大学社会情報学専攻准教授 小川明子 a-ogawa@i.nagoya-u.ac.jp
名古屋大学社会情報学専攻研究員 Sarah WAGNER wagner.nicole.sarah@k.mbox.nagoya-u.ac.jp
Funding 助成について
外国人研究者のための日本学術振興会博士研究員助成研究プログラムの一環です。
Purpose of this research 研究目的
日本の介護施設におけるコミュニケーションメディアに関する研究は、これまで非常に数が少なく、特に伝染病が流行期には、コミュニケーションメディアが重要な役割を果たすことが期待されます。 世界における研究では、コミュニケーション・メディアが介護施設の入居者の幸福と社会的つながりに重要な役割を果たすことが示されています。 本研究では、介護施設におけるメディア・コミュニケーション資源や人的ネットワークが危機下においてどのように有効活用されるのか、あるいはどのような理由が活用を阻むのかを明らかにし、今後の危機管理や将来計画に役立つ教訓を得ることを目的としています。
Overview 研究概要
本研究は、介護施設入居者のメディア使用の習慣をめぐる日本とカナダの間の比較プロジェクトの一環として行われます。このプロジェクトの目的は、高齢者が介護施設で生活する中でコミュニケーションメディアをいかに使用するか、理解を深めることにあります。本研究では特に、現在流行中のCOVID-19をめぐる状況に関してこのテーマについて考察することを目的にしています。
Main objectives 主な目的
1. COVID-19流行中の、介護施設入居者のコミュニケーションメディア使用の習慣を調査すること。
2. COVID-19の流行に関して、介護施設管理者と入居者の考え方や行為、経験にマスメディアやその他の情報源がいかに意味を持つのか理解すること。
3. COVID-19流行中の、介護施設入居者の日常的なコミュニケーションと社会的活動、実践についての理解を深めること。
Methods 方法
1)名古屋市内の施設管理者の皆様にGoogle Formでの簡易アンケート(情報入手メディアや信頼度など)をお願いしたのち、
2)ご協力いただける管理者の方に対する電話インタビュー(15分のインタビューに対して2500円程度が支払われます)。介護施設における情報入手と提供についての詳細についてお話いただければと考えております。
3)入居者への電話インタビュー
30-45分程度(謝礼として2,000円程度をお支払いします)のインタビューを行います。COVID-19の流行についてのメディア・情報・コミュニケーションの経験についてお話いただきます。また入居者のかたが使用しているメディアとそれらに関しての見解について、より具体的に質問をします。
Maintaining participant confidentiality 参加者の機密性の維持
すべての調査協力者の機密性と匿名性が保証されます。介護施設の名前はどの研究成果においても特定されません。また研究参加者の本名が研究資料や研究成果物に記録されることはなく、連絡先情報は研究期間後に削除されます。
Risks or inconveniences associated with the research 研究に関連するリスクや不便
本研究は、個人の健康や安全にリスクをもたらすものではありません。研究は電話で行います。参加者は何もペナルティを受けることなく、質問への回答の拒否を選択できます。
Data handling and safekeeping データの取り扱いと保管
電話インタビューは録音され、文字起こしされます。介護施設または個人に関する識別情報は、記録において匿名化されます。
記録は最長3か月間、研究者の通常の作業フォルダにあるVeraCryptまたは同様のソフトウェアを使用して暗号化保持されます。また、録音は文字起こし後に削除されます。記録は、識別情報は含まれない形で、最初の公開から3年間、研究者の通常の作業フォルダで保管されます。
Expected outputs 期待される成果
本研究は学術目的で使用され、英語の学術雑誌の記事として公開されることが予定されています。介護施設や参加者に関する識別情報は含まれません。また本研究から得られたレポートは、発表後すぐにご参加いただいた方に提供される予定です。