英国ホスピタルラジオの起源について調べていくうちに、当時の技術について分からないことがあり、いろいろ探していくうちに長野県松本市にある「日本ラジオ博物館」に辿り着きました。ここの館長、岡部匡伸さんは、技術者として、書籍『ラジオの技術・産業の百年史』も執筆されており、昨年の大河ドラマの歴史考証もされたそうです。

明治期に建てられたという蔵に陳列された古今東西のラジオや関連資料について、プロの技術者や企業、そしてアマチュアやユーザーの経験を交えながら、大変丁寧にご説明いただきました。不思議なことに、文字だけ追っていてもわかりづらい技術史ですが、モノを目の前にして背景やエピソードを交えてご説明いただくことで大変理解しやすく感じました。返還50年を迎える沖縄のラジオ技術史、校内放送のはじまりや技術などについてもたくさん教えていただきました。

肝心の1920年代、ホスピタルラジオの萌芽期の技術についても有益なコメントとアドバイスをいただき、おおよその目処がたちました。あとは文献や現地インタビューで確実なものにしていきたいと思います。