2004年、デジタルの未来に夢を膨らませながら、たくさんの人が自分たちのメディア発信を求めて集った名古屋での初回から既に20年。これまで18回のセッションが日本各地で開かれ、草の根が紡がれてきました。
今年は11月23日、4月にオープンしたばかりの立命館大学大阪いばらきキャンパスH棟で開催しました。今回のメディフェスでは、各地でさまざまに模索される、災害、多文化/他者理解、ジャーナリズム、ケアなどの視点からの分科会や展示が集まり、世の中を騒がせる分断型メディアとは異なる世界が出現しました。参加者133名。懇親会も半数以上の方にご参加いただき、「交流」も進みました。
私は、午前中の「コミュニティをひらくラジオ」と「ハイパーローカルジャーナリズム」を担当しました。またお昼のデジタルストーリーランチでは、名古屋大学の鄧博文さんが、中国残留孤児の方と制作したデジタルストーリーを上映してくれました。
記者さんたちもいくつも記事を出してくれています。ご参考までに。
→ 共同通信コラム(原真さん)
10:30-12:00 H棟242教室
「コミュニティをひらくラジオ」
登壇者: 西村遥加(京都三条ラジオカフェ 放送局長)
登壇者:小笠原禎志(コーセイラジオ エフエムとよた)
登壇者: 芳賀美幸(コーセイラジオ)
登壇者:鍋山健二 (東札幌病院いずみラジオ ボランティア・パーソナリティ/zoom)
登壇者:福井文雄 (元・市民メディア全国交流集会協議会 共同事務局長)
司会: 小川明子(立命館大学)
コミュニティラジオやポッドキャストなどの小さな声のメディアは、マスメディアでは伝えきれない、少数の人びとに必要な情報や想いを伝えてくれるメディアとして注目されてきました。本セッションでは、こうした小さなコミュニティの声が、他のコミュニティに開かれていくプロセスに焦点を当てます。NPO型のコミュニティラジオの嚆矢で、長期にわたって多様な番組を放送し続けてきた『京都三条ラジオカフェ』、イギリスや日本の刑務所ラジオをヒントに、より更生や社会復帰に焦点を当ててコミュニティFMで放送するエフエムとよたの『コーセイラジオ』(2023年度ギャラクシー賞受賞)、そしてボランティアベースでネット上で放送される東札幌病院の病院ラジオなどの事例から、その現在と未来を考えます。
追記:朝一番のセッションだったのに、会場は満席!小さなコミュニティの内外を結ぶ音声メディアへの関心の高さが目立ちました。
16:30-18:00 H棟242教室
「ジャーナリズムをやってみよう:ハイパーローカル・ジャーナリズムのすすめ」
司会:小川明子
登壇者:武田剛 (元朝日新聞、屋久島ポスト共同代表)
鈴木宏子(元常陽新聞、ニュースつくば記者)
浅野善一(元奈良新聞、ニュース奈良の声代表)
マスメディアの経営が厳しくなるにつれ、地域について報道するメディアがない「ニュース砂漠」が世界中で広がっています。こうした中、住民自ら行政監視を行い、メディア発信を行いながら町を変えて行こうとする事例が日本でも静かに始まっています。本セッションでは、手弁当で数々の調査報道を行い、町の腐敗を告発してきた「屋久島ポスト」(地域・民衆ジャーナリズム賞2024)、地域新聞の廃刊を受け、学生の力を借りながらウェブサイトに活動の場を移した「ニュースつくば」、そして滋賀や奈良で行政や議会を監視し続ける「ウォッチドッグ大津」「ニュース奈良の声」の関係者に会場にお集まりいただき、その可能性と課題、始め方、支援方法について考えます。
こんなに素晴らしい内容なのに無料!
みなさまのご来場を心よりお待ちしております。
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