8年ぶり(・・・)の単著となる『ケアする声のメディア:ホスピタルラジオという希望』が青弓社ライブラリの一冊として出版されました。文字数の制限もありますが、ここ何年か続けてきた声のメディアとケアについてまとめた一冊です。

また、金山智子編『ケアするラジオ:寄り添うメディアコミュニケーション』も出版されました。名古屋大学で院生だった芳賀美幸さんは「立ち直りを支える刑務所ラジオ」を、わたしは「ナラティヴ空間としてのホスピタルラジオ」も執筆しています。わたしの箇所は、単著の要約のようになっておりますが、ラジオとケアに向き合った金山先生の理論編、地域のラジオ(島ラジオ)、外国人を含む多文化共生のラジオ、被災地の子どものラジオ番組制作と、盛りだくさんの内容です。

密かに(というところがポイント)発展を続けるポッドキャストなど、新たな音声メディアが続々と生まれる中、先行研究が薄いとされてきたラジオ研究が続々と出版されています。毎日放送の大牟田智佐子さんによる『大災害とラジオ』、坂田謙司先生の『「音」と「声」の社会史』など、研究者たちが真摯に取り組んだ成果がここのところまさに花開いた形になっています。もちろん、それでも足りないところはあるのですが、研究の空白部分が大雑把にでも埋まったことで、今後の研究への踏み台ができたのではないでしょうか。

ぜひ手に取っていただければ幸いです。

追伸:北海道新聞・朝日新聞の書評に取り上げていただきました。ありがとうございます。